これから塾を開業しようと考えている方は、個人塾、小規模塾の場合必要となる資格と開業資金がいくらくらいあればよいのかが気になられるでしょう。
フランチャイズを計画している方はまた別に資格も出資金等も気になるところです。
ここでは気になる学習塾の年収や黒字化のコツ、様々な始め方について学んでいきましょう。
目次
ここでは、あくまでも個人塾、小規模塾に限って話を進めます。
経営状態は300万以下というところもありますし、複数の店舗を持ち1000万以上というところもあります。
100万以下のところでも、副業で完全に採算が取れているところもありますし、廃業・閉業に追い込まれているところもあります。
経営業績については千差万別というところでしょう。
しかし流行るところとそうでないところにはどんな違いがあるのでしょうか。
個人塾では収支がゼロになる(損益分岐点)のは生徒30名以下であることが重要です。
ここで言う損益分岐点とは固定経費や人件費を含み収支がゼロとします。
月謝の金額にもよりますが、成功している個人塾というのは20名くらいと考えます。
ここで人件費がかからない塾長自身が指導を行うのなら人件費分は利益となります。
フランチャイズ加盟では塾生数40名以上が損益分岐点になることが多いということからすれば、個人塾の損益分岐点は驚くほど低いことになります。
個人塾の場合、塾生が50人いれば年収は700万円以上になります。
フランチャイズ加盟で失敗してしまう理由の一つは「塾生50名が損益分岐点」だからです。
個人塾で塾生数25名から30名に絞ると開業から6ヶ月あれば集客できる可能性もあります。
また学習塾の商圏は半径500mです。1キロ以上の距離で塾生が来る例はほとんどありません。
事業を行って行くうえで、最も支出を抑えたいのが固定費です。
固定費は、生徒がゼロ(売上がゼロ)でも発生します。
固定費には、家賃(テナントや駐車場の賃料)コピー機やパソコンなどのリース料、生徒ゼロでも講師や事務員のアルバイト代や減価償却費などがあります。
これらの費用を可能な限りゼロに近づけることで、損益分岐点は下がっていきます。
塾が自宅で、コピーはコンビニ利用、塾長が講師ということになれば、固定費はゼロということになります。
しかも、個人事業主が自宅で塾を開く場合は、自宅の中で塾として利用する割合(按分)に応じて、家賃の一部を経費に計上できますので、これだと大変お得になります。
あくまでも塾の所在地が自宅の場合です。
当たり前ですが、個別よりは集団の方が儲かります。
もちろん個別は家庭教師並みの濃さでじっくり教えてくれる訳ですから、個別の方が単価は高いです。
ただ分かってはいてもグループを集客するのはちょっとやそっとでできないから問題なのです。
現在コロナ禍の中でも100名以上集客されているある塾経営者の方は、10年でこの規模になり、全く集客にお金をかけなくともどんどん生徒が来るそうです。
これに比べて普通の個人塾・小規模塾は、生徒が辞めるのは簡単、月謝が高いから安いところに行く、友達がいるから行く、などという理由で辞めることも多く、注意していないと売り上げは右肩下がりです。
敢えて単価・料金を高くしましょう。
今のところ辞めていく動きはないけれど生徒は全員個別指導を希望、下校時間を考えると1日に1人しか教えられない。
土日希望者がいて午後に2回くらいできたとして、生徒は10人に満たない。
敢えて単価を高くして他塾ができないような教育力を発揮して収入を得る。
先ほどの方はそれを歯を食いしばってやったそうで、そこから勝負に出るべきだと言われています。
その方は1人教えるところから1年で5人くらい、それを10年続けて自分というものの価値で今は一切集客をしないけれど勝手に集まってくるということです。
その方によれば、塾はラーメン屋ではない、美味い、アップしよう、口コミ何点、という話ではない。
こちらの人格や教養、教育力など1度体験レッスンを受けただけで分かりっこない、何度も来て信頼できるようになり勉強もよくわかり、続けたいと思うのにはそれだけの時間と労力が要るということでした。
上記のように、学習塾はすぐに結果が出るものではないので、半年たってもゼロということがあり得るのは心しておくことです。
その意味で塾からの収入がなくても食べていけるだけの資金は用意しておくべきです。
ここで将来に不安を持つ方は、廃業したほうがいいかもしれません。
しかし設備投資した後で今度はそれを廃棄して立ち去るとしたら絶望的な悲壮感に襲われるかもしれません。
その場合もっと早い段階で学習塾コンサルに集客の悪さから始まって相談する、立て直す、ということも十分あり得るでしょう。
閉業を決めたとしても痛手が最小限に収まるように、居抜きでの譲渡(M&A)の相談に乗ってもらいます。
少しでも資金を残し次の段階で仕事がしていけるように、これで終わりではないことを気持ち強く持っておきましょう。
また、現によくあることですが広告を出したわけでもないのに、1年経過した頃からバタバタっと生徒が来始めることもあります。
忍耐強くあるべきです。
先述した通りですが、個人塾・少人数塾とFCでは損益分岐点が大きく異なることを踏まえ、最初は30人以下でとどめておいていいでしょう。
何年で何人の生徒を入れるのかという数年単位の計画のもとに決めるべきことです。
固定費を抑え、長期的な損益分岐点を決めておけば、塾の経営状況も分かりやすくなります。
よりきめ細かい計画のもと確実に利益を上げるためには、何年で何人の生徒を入れるのか明らかにしておくべきです。
あとは設定した指導方針や経営方針のもと、営業を続けながら周囲の状況や塾内部での変化に柔軟に対応しましょう。
新規に塾を立ち上げる時は、まずは場所の選定が課題です。
学区内に開塾するのが理想です。
都心なら公共交通が発達しているため駅前などもいいでしょう。
車移動が多い地域では無料の駐車場があるかも確認します。
学習塾コンサルやM&A業者に相談をするのも大切です。
色々な設備にかける資金がなくても、居抜き物件という既に設備が整った物件を立地も考えながら探してくれたり、学習塾コンサルは集客・開業まで面倒を見てくれます。
もちろん集客だけ、開業だけなども取り扱います。
そして収益・支出のシミュレーションをしっかりと行い、講師の確保、集客についての計画を実行に移します。
この時M&A業者が優良物件を紹介してくれ、資金や人手を大幅にカットできることもありますので低リスクでの開業が叶うかもしれません。
FC加盟本部へ問い合わせ・選定をします。
それまでに資料請求・問い合わせ、説明会への出席、情報収集の上で比較検討して決めます。
開業資金は一部金融機関から融資を受けて開業できます。
本部からサポートを受けられる場合もあります。
加盟契約しオーナー研修を受けます。
教室の物件選定、看板や備品の設置・搬入、教材の準備をしてから、講師確保、集客を始めるという流れが一般的です。
学習塾経営に資格は要りませんが、同じ個人・小規模塾でも経営の仕方や教え方によって、生徒が集まらない塾と新規問い合わせが絶えない塾とがあります。
個々人の考え方次第ですが、まずは塾生がいい成績を取るまでに時間がかかること、それが塾のおかげと生徒や保護者が思うことなど、塾に良い口コミが認められるまでに非常に長くかかります。
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